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芥川賞と直木賞の違いをわかりやすく表にまとめてみた!

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芥川賞と直木賞

最近、
2017年下半期の芥川賞と直木賞の受賞者が発表されて話題になりましたよね。

詳しくは別記事
『芥川賞・直木賞の2017年下半期受賞作が決定!話題作「ふたご」は!?』
を見ていただきたいのですが、
芥川賞は石井遊佳さんの「百年泥」と
若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」、
直木賞は門井慶喜さんの「銀河鉄道の父
でした。

さて、
見ていてふと疑問に思うことがいくつかあると思います。

「いっつも同じ会場で一緒に発表されるけれど、どうしてだろう?」
「同時にふたつの賞を受賞した人はいるのかなぁ」
「そもそもこのふたつの賞って、どう違うんだろう」

などなど、こういったふとした疑問、
なんとなく流していたふたつの賞の気になる部分をまとめて、
比較できるようにわかりやすく表にしてみました!

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芥川賞・直木賞の比較表

さて、早速ですが、その表がこちらです。

芥川賞・直木賞比較表

芥川賞・直木賞比較表

おー、良くまとまっていますねぇ!(自画自賛)

見ていただければわかると思いますが、
両賞で異なる項目を芥川賞を赤直木賞を青に色分けしていて、
共通の項目を白にしています。

・芥川賞:赤
・直木賞:青
・共通 :白

ということです。

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芥川賞・直木賞をもう少し掘り下げてみる

ここからは、上の表の各項目について、
もう少し掘り下げて解説していきます!

名称について

「芥川賞」は「芥川龍之介賞」、
「直木賞」は「直木三十五賞」
というのが正式名称
です。

「芥川龍之介」を「あくたがわりゅうのすけ」
と読むことはもちろんだれでも知っていると思いますが、
「直木三十五」は「なおきさんじゅうご
と読みます。
これは意外と知らない人もいると思います。

芥川龍之介さんのことは、
多くの人が中学校の国語で「羅生門」なんかを読んで知っていると思います。

※私も羅生門について記事を書いています。
『羅生門』の意味を考えてみた
興味があれば是非こちらも読んでみてください。

芥川龍之介

直木三十五さんは、大衆文学の先駆的作家で、
本名を植村宗一さんと言います。

「直木三十五」というペンネームは、
苗字の「植」という漢字を分解して「直木」とし、
「三十五」というのは当時の年齢から来ています。

ヒット作としては「南国太平記」があり、
この作品は5回も映画化されています。

彼は小説だけでなく、雑誌編集映画製作も行い、
映画の脚本を書いたり、監督をしたり、
エンタテインメント全般にかかわった人でした。

創設について

芥川賞・直木賞を創設したのは、
文芸春秋社社長の菊池寛さんです。

現在、賞を受賞しているのは、日本文学振興会ですが、
この公益財団法人は、文藝春秋社内に設置されています。

菊地さんが「芥川賞」「直木賞」を創設したのは、
芥川さんが死去した7年後、直木さんが死去した翌年でした。

「芥川龍之介賞」「直木三十五賞」という賞の名前は、
友人であった菊池さんの彼らへの思い、
『文藝春秋』という雑誌への彼らの貢献からつけられた名前
なのです。

どちらの賞の方が格上なのか

よく、
芥川賞と直木賞ってどっちが凄いの?
という質問がされますが、
これに対しては、
比較できないよ
というのが答えになります。

芥川賞は純文学を対象としていて、
直木賞は大衆文学を対象としているから
です。

サッカーと野球を比べるようなもので、
バロンドールとMLBの最優秀選手賞はどっちが凄いの?
という質問をしているようなものです。

競技人口からすればバロンドールの方が凄いと言えるかもしれませんが、
その答えにはなんの意味もないでしょう。
それぞれにどちらも凄い、という方が正しいと思います。

全く同じことが芥川賞と直木賞には言えるのです。

ちなみに、純文学とは、Wikipediaによると、

純文学(じゅんぶんがく)は、大衆小説に対して「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説を総称する、日本文学における用語。
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%94%E6%96%87%E5%AD%A6より引用

とのことです。

対して、大衆文学とは、

大衆文学(たいしゅうぶんがく)は、純文学に対して「芸術性」よりも「娯楽性」に重きを置いている小説の総称。
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%A1%86%E5%B0%8F%E8%AA%ACより引用

とのことです。

要するに、明確にハッキリ分けられるような区分けではないのです。
そのため、芥川賞と直木賞は
「あれ?この人こっちの賞で受賞なの?」
というようなことがときどき起こります

また、少し話が変わりますが、対象作品に関連するものとして、
原稿量」についてもここに書いておきます。

短編、長編の目安は、

短編 ・・・ 原稿用紙100枚ぐらいまで(4万字程度)
長編 ・・・ 原稿用紙300枚ぐらいから(12万字程度)

です。

あくまで目安で、ハッキリと決められた定義はありません。

原稿用紙

受賞辞退者と選考辞退者について

芥川賞、直木賞ともにひとりずつ、受賞を辞退している人がいます。

芥川賞辞退 ⇒ 高木卓「歌と門の盾」(第11回/昭和15年上期)
直木賞辞退 ⇒ 山本周五郎「日本婦道記」(第17回/昭和18年上期)

高木さんの受賞辞退の理由は、「平賀源内」で次の第12回芥川賞を受賞した
櫻田常久さんの受賞の言葉で明らかになります。
高木さんは自分が辞退すれば、同人誌の先輩である櫻田さんの
「かい露の章」という作品が受賞できると考えて辞退した
ようなのです。
しかし実際は「かい露の章」はその回の最終候補作に残っておらず、
櫻田さんは次回の芥川賞であっさりと受賞してしまったという、
なんとも悲しいエピソードです。

山本周五郎さんの受賞辞退の理由は、
もつと新しい人、新しい作品に当てられるのがよいのではないか
ということだったようです。
山本さんはその後、
毎日出版文化賞」「文藝春秋読者賞」も受賞を辞退しています。

選考自体を辞退した作家もふたりいます。
これはどちらも直木賞です。

伊坂幸太郎 ・・・ 過去5回も直木賞候補に選ばれている
横山秀夫  ・・・ 『半落ち』がノミネートされて以後、訣別宣言

伊坂さんに関しては、5回もノミネートと落選を繰り返せば、
もうそのストレスからは解放されたい
と思うことは当然かなと思います。
しかも、直木賞をもらわなくても、
人気作家としての確固たる地位はすでに築いています。
対象作家の“中堅”にももう当てはまらないでしょう。

横山さんに関しては、
「半落ち」の選考会のときに、
ミステリーとしてのリアリティに欠ける」という評価がなされ、
これに対して、ミステリー界・ミステリー読者たちの立場を守るように、
自分の作品には、指摘されたような間違いはない」と主張し、
以後、直木賞との一切の関わりを断つことを宣言したのです。

「賞」というと、いつでも嬉しいもの、喜ばしいもののように思えますが、
ある程度地位のある作家さんの場合は特に、
複雑な感情を抱かせてしまうこともあるようです。

芥川賞と直木賞は実は年に2回ある

あまり意識しませんが、
実は芥川賞と直木賞は、年に2回発表されます。

上半期 ⇒ 毎年7月に発表
下半期 ⇒ 毎年1月に発表

そのため、
今回で言うと、2018年1月に発表された「芥川賞」「直木賞」は、
2017年下半期の受賞者なのです。

年が変わってしまっているので、少しわかりにくいですよね。

正賞の懐中時計について

実は、正賞が懐中時計です。
100万円はあくまで副賞なのです。

懐中時計

そうなると、
懐中時計は100万円以上の価値があるのか?
という疑問が出てきそうです。

これに対しては、
懐中時計はメダルやトロフィーの位置づけなのです
というのが答えになります。

それでは、
なぜ、その記念品的な位置づけのものとして、
懐中時計を選んだのか
、という疑問が出てきます。

懐中時計の由来は、
芥川龍之介さんが、懐中時計を愛用していたから
だそうです。

それに、
芥川賞・直木賞を創設した当時、懐中時計は非常に高価で、
一般人には持てないものだったのです。

もちろん、
商品としての懐中時計の価値は、それほど高くありませんが、
“芥川賞・直木賞の正賞”という付加価値がついて売却されれば、
相当高額な値段がつくであろうことは、容易に想像できます。

芥川賞と直木賞のダブル受賞は可能か?

芥川賞と直木賞のダブル受賞はできません
どちらかを受賞すると、
それ以後、芥川賞・直木賞のノミネート対象外になるからです。

ただ、
両方の賞に同時にノミネートされた作品はあります。

木野工さん「襤褸」(第66回/昭和46年下半期)
北川荘平さん「水の壁」(第39回/昭和33年上半期)

ちなみに、
ふたつの作品ともに、
「芥川賞」「直木賞」のどちらも受賞していません。
   
ここまで、「芥川賞」と「直木賞」についてまとめてきました。
今までなんとなく答えを知らないままに流していた疑問の
ほとんどが解消されたのではないでしょうか。

最近は特に話題になることが多いイベントですから、
是非身近な人にも教えてあげてください!

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