![IMAX](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/about_07-e1520955302472.jpg)
http://109cinemas.net/imax/about.htmlより転載
先日、
映画館に行ってきました。
観たのは、
アメコミのMARVEL製作の映画
『ブラックパンサー』です。
広告では、
「国王として守るか?ヒーローとして戦うか?」
などと、
ヒーロー=国王というキャッチーな設定が
フィーチャーされていましたが、
それだけにとどまらず、
しっかり作り込まれた世界観で、
MARVEL作品の中では今までにない
メッセージ性、テーマ性の強い作品でした。
![ブラックパンサー](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/cf516f2faefb82ed-e1521231555380.jpg)
http://eiga.com/movie/84138/photo/より転載
ところで、
私はこの映画を「IMAX」で観ました。
IMAXは、
普通の映画よりも500円ほど高い値段で
観られるのですが、
正直、普通の映画と何が違うのか、
よくわからないのではないでしょうか。
わからないと、
「500円高いし、普通のでいいや」
となってしまうと思いますが、
それはちょっともったいないです。
「IMAX」という映画体験は、
IMAXでしか味わうことができません。
そこでこの記事では、
IMAXとは何なのか、
普通の映画とは何が違うのか
について書いていきたいと思います。
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IMAXとは?
まず、
IMAXとはなんなのでしょうか。
Wikipediaから引用してみます。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/IMAX
つまり、
IMAXとは、
IMAX社という会社が作った規格の映画のことです。
![IMAX](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/20170424_imax_1-650x318-e1521231953485.png)
https://vrinside.jp/news/imax_vr_come_to_japan/より転載
通常の映画との違いは、
Wikipediaに書いてある説明の通り、
より大きなサイズの映像を上映できる
というところにあります。
さて、
なぜIMAXはより大きなサイズの映像を
上映できるのでしょうか?
仕組みについても簡単に解説しておきましょう。
IMAXの仕組み
映画フィルムの話です。
あまり気にしたことはないと思いますが、
映画のフィルムサイズには種類があります。
35mmフィルム
まずは35mmフィルム。
これが最も一般的なフィルムサイズです。
「35mmフィルム」という名前の通り、
フィルム幅が35mmのフィルムです。
35mmフィルムは、
1909年に国際規格に認定された規格で、
世界中ほぼすべての映画館で上映できる
唯一の規格になっています。
このように、
広く普及した背景には、
フィルムの価格と記録できる映像のクオリティが
釣り合っていたためです。
![35mmフィルム](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/35Imax_format_35mm_70mm-e1521232633306.png)
35mmフィルム
70mmフィルム
次に、
70mmフィルムという規格があります。
35mmの2倍の幅になることから
想像できると思いますが、
70mmは35mmよりも高品質なフィルムです。
ただし、
70mmは35mmとは違い、
どの映画館でも上映できる規格ではないため、
70mmを扱えない映画館で、
70mmフィルムの映画を上映するときには、
70mmフィルムに記録された情報を
いったん35mmフィルムに移してから
上映する必要があります。
![70mmフィルム](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/70mm-e1521232683373.png)
70mmフィルム
IMAX15/70
アイマックスで使われるフィルムも
フィルム幅は70mmです。
しかし、
フィルムの送り方が違います。
IMAXは、
70mmフィルムを水平方向に送るのです。
そうすることで、
通常の70mmフィルムと比べて、
1コマに使うフィルムの面積を広くすることができ、
より細かく精密な映像を記録することができます。
![IMAXフィルム](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/imax-e1521232754143.png)
IMAXフィルム
1コマに使うフィルム面積が、
通常の70mmフィルムよりもどれだけ広いかというと、
端的に言ってしまえば3倍です。
もう少しだけ詳しく説明すると、
フィルムには、
パーフォレーションというものがついています。
パーフォレーションとは、
送り穴のことで、
フィルムを送ったり巻き取ったりするためのものです。
通常の70mmフィルムの場合は、
1コマあたり5パーフォレーションです。
これに対し、
IMAX用の70mmフィルムの場合は、
1コマあたり15パーフォレーションなのです。
このことから、
通常の70mmフィルムは、
1コマ=70mm×5パーフォレーション、
IMAX用の70mmフィルムは、
1コマ=70mm×15パーフォレーション、
つまり、
1コマに使うフィルム面積は3倍違うことになります。
また、
「IMAX15/70」というフィルムの名前は、
ここに由来した名称です。
![3種のフィルム比較](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/Imax_format_35mm_70mm-e1521232819108.png)
3種のフィルム比較
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
このIMAXという規格、
全然馴染みがないと思いきや、
意外なところで使われています。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)です。
USJで、
2001年から2016年まで動いていたアトラクション、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」は、
実はIMAXを映像として使っていました。
他にも、
科学館のプラネタリウムなどで
IMAXが利用されています。
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IMAXデジタルとは?
IMAXデジタルとは、
デジタル上映方式のこと、
つまり、
フィルムを使わない上映方式です。
IMAXデジタルは2008年から始まり、
日本では、
2009年に109シネマズが初めて
IMAXデジタルシアターを導入しました。
![109syonan](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/109syonan_035-e1521233515458.jpg)
http://www.huddle55.co.jp/works/vision/2011/12/4021より転載
現在日本で観ることができるIMAX映画は、
すべてIMAXデジタルです。
日本でIMAXデジタルシアターを導入しているのは、
109シネマズ、TOHOシネマズ、ユナイテッド・シネマ、シネマサンシャイン、ティ・ジョイ、ヒューマックスシネマ、イオンシネマ、フューレック
です。(2018年3月現在)
IMAXデジタルシアターの魅力
IMAXデジタルシアターの特徴は、
以下の5つの要素で語られます。
・2台のプロジェクタの同時使用
・リアルタイムの映像調節
など
②音響
・6つの専用スピーカ
(TOHOシネマズ新宿など一部は12.1ch)
・高度なチューニングシステム
など
③空間
・大型スクリーンを設置
・客席に近い位置に配置
など
④3D
従来のデジタル3Dと比べて、
輝度2.5倍の鮮明さで映し出す
⑤作品
・「IMAX DMR(デジタル・メディア・リマスタリング)」
つまり、通常撮影後にIMAXバージョンに変換した作品
・IMAX専用カメラで撮影した作品
IMAXデジタルシアターは、
単にIMAXデジタルを上映できるというだけでなく、
IMAXの良さを最大限引き出すための
専用の設備が整った映画館であるということです。
IMAXデジタルシアターは本当に「IMAX」か?
前の項で、
「IMAXデジタルシアターの魅力」
について書きましたが、
これの主に「③空間」に対して、
映画ファンからは不満の声が出ています。
ふたつのポイントにまとめると、
②スクリーンのアスペクト比
です。
スクリーンのサイズへの不満
引用:http://sprocket.eek.jp/monthsp/imax002.html
2016年9月に閉館してしまいましたが、
世界最大のIMAXシアターは、
オーストラリアのシドニーにありました。
スクリーンのサイズは、
横35.73m×縦29.42mです。
大き過ぎて想像できませんよね。
ビルで考えると、
1フロアの床から天井までの高さが3mであれば、
おおまかに計算して、
36÷3=12
ビル12階分の高さになります。
信じられないぐらい大きなスクリーンだということが
おわかりいただけたと思います。
![IMAXシドニー](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/18-e1521234022676.jpg)
https://travel.watch.impress.co.jp/img/trw/docs/745/737/html/18.jpg.htmlより転載
IMAXは、
このシドニーのスクリーンサイズまでいかなくても、
通常よりも大きなスクリーンで楽しむものなのです。
IMAXは通常の映画フィルムよりも
精密な映像を記録できるため、
大きなスクリーンに映し出しても、
画像が粗くなりません。
そのため、
大きなスクリーンに映し出して楽しめるということが、
通常の映画との差別化になる、
つまり、
IMAXを生かせるウリのひとつなのです。
それでは、
日本のIMAXデジタルシアターの
スクリーンサイズのお話をしましょう。
と言いたいところですが、
実は、
日本のほとんどのIMAXデジタルシアターの
スクリーンサイズは公表されていません。
なので、
おおまかな目測、推測になります。
横20m程度×縦10m程度
です。
![品川IMAXデジタルシアター](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/86bebbc90b160391fefb27c89c7f1f93-760x507-e1521234417989.jpg)
品川IMAXデジタルシアター(https://cinema.ne.jp/recommend/imax2016063006/より転載)
「TOHOシネマズ 六本木ヒルズ」の
IMAXではない通常映画用の
最も大きいスクリーンのサイズが「SCREEN 7」の
20.2m×8.4m
ですから、
さほど変わらないサイズです。
IMAXデジタルのためのシアターと言いつつ、
スクリーンサイズの違いはこんなものなのです。
そもそも、
今日本にあるIMAXデジタルシアターは、
元々あったシネコンの中のシアターのひとつを
改造しただけの
「IMAX MPX(マルチプレックス)」
と呼ばれるものです。
つまり、
改造前のシアターの箱のサイズが上限としてあって、
その中に収まるスクリーンサイズにせざるを得ません。
また、
IMAXデジタルシアター用に建物を新築した場合も
それほど大きなスクリーンは設置できません。
「成田HUMAXシネマズ」は、
IMAXデジタルのための新築で、
国内最大級のIMAXデジタルシアターですが、
それでもスクリーンサイズは、
横24.5m×縦14m
です。
![成田IMAXデジタルシアター](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/imax1-e1521234648797.jpg)
成田IMAXデジタルシアター(http://eiga.com/extra/shimizu/2/より転載)
なぜ新築なのに、
もっと大きなスクリーンにしなかったのでしょうか。
当時はこのサイズが、
デジタル2K映写機の表示限界だったためです。
しかし、
デジタルではなく、フィルムのIMAXの時代は、
もっと大きなスクリーンサイズでした。
今はすべてIMAXデジタルになってしまいましたが、
以前は、
日本にも映画のためのフィルムのIMAXシアターがあったのです。
中でも最大級のスクリーンサイズだったのは、
「ユナイテッドシネマ札幌」です。
横27m×縦20m
と、かなりのサイズです。
東京では、
「高島屋東京IMAXシアター」が最大で、
横25m×縦18m
ありました。
この規模のIMAXを体験している人たちにとっては、
現在のIMAXデジタルシアターの
スクリーンの規模感は、
「これって、IMAXなの?」
という印象になってしまいます。
スクリーンのアスペクト比への不満
スクリーンには、
アスペクト比というものがあります。
アスペクト比とは、
スクリーンの横、縦の長さの比率です。
IMAXの本来のアスペクト比は、
1.43:1
です。
そのため、
IMAXを上映するときは、
1.43:1のスクリーンに映し出すべきなのです。
しかし、
IMAXデジタルシアターのスクリーンのアスペクト比は、
ビスタサイズと呼ばれる「1.85:1」か、
シネスコサイズと呼ばれる「2.35:1」
になっています。
![3種のアスペクト比比較](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/Aspect_ratios-e1521235213823.png)
3種のアスペクト比比較
そのため、
IMAXデジタルシアターでは、
IMAXのオリジナルの映像の上下を切り取って、
スクリーンのサイズに合わせて上映しています。
つまり、
IMAX本来の映像を
楽しんでいることにはならず、
通常の映像サイズで、単に映像がキレイなだけ、
になってしまっているのです。
「これはIMAXなのか?」
という疑問を持って当然ですよね。
次世代IMAXシアター
「IMAXデジタルシアターは本来のIMAXの楽しさを
引き出せていないのではないか」
という疑問について書いてきました。
この疑問を乗り越えるIMAXが、
次世代IMAXシアターとして
2015年に大阪に開館しました。
![109シネマズ大阪エキスポシティ](http://tr0000af.com/wp-content/uploads/2018/03/efca0704-e1521235436279.jpg)
109シネマズ大阪エキスポシティ(http://www.bubble-b.com/?p=1763より転載)
現在日本にある次世代IMAXシアターは、
「109シネマズ大阪エキスポシティ」だけですが、
2019年には池袋で開館予定のシネコンにも、
導入される予定です。
これまでのIMAXデジタルシアターと
この次世代IMAXシアターとはどこが違うのかは、
3つのポイントにまとめることができます。
天井にまでスピーカを設置
(IMAXデジタルシアターは
音響設備がシアターごとでまちまち)
②「IMAX with LASER」のプロジェクタ
4Kの映写が可能
(IMAXデジタルシアターは2Kの映写だったため、
映像がより細かく、より精密に)
③1.43:1のアスペクト比のスクリーン
映像の上下を切ることなく、
本来のIMAXの1.43:1の映像が楽しめるスクリーン
(IMAXデジタルシアターはビスタかシネスコで、
映像の上下が切れていた)
ちなみに、
「109シネマズ大阪エキスポシティ」の
スクリーンサイズは、
横26m×縦18m
で、国内最大級のIMAXデジタルシアターである
「成田HUMAXシネマズ」の
横24.5m×縦14m
を超えるサイズです。
次世代IMAXシアターで体験するIMAXが、
本来のIMAXの実力なのです。
おわりに
ここまでまとめてきた内容から、
本来のIMAX体験をするためには、
次世代IMAXシアターに行くしかない
ということになります。
ただ、
IMAXデジタルシアターも
行ってみる価値はあります。
次世代IMAXシアターよりは劣りますが、
それでもIMAXの凄さの片鱗を味わうことはできますし、
従来の映画と比べれば、
映像も音響も良く、
映画の中にいるような没入感も
多少なりとも感じられます。
是非一度、
普通の映画ではなく、
IMAXを体験してみてください!
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