有楽町の「スバル座」で映画を観てきました。
映画のタイトルは、
『きばいやんせ!私』
ちょっとぐしゃっとなっています。
ごめんなさい。。。
友人から
「チケットを余らせてるから是非」
と誘われ、
そもそもこんな映画をやっているなんて知らなかったけれど、
なんとなく気が向いて観に行くことにしたのでした。
そんなに期待もせずに。
結果、
とてもいい映画でした。
この映画が必要な人が、
僕や一緒に観に行った友人以外にも絶対にいる
と思いました。
これが、
私がこの文章を書こうと思った動機です。
『きばいやんせ!私』は、
限られた映画館でしか上映されていないのですが、
こういう映画は、
上映終了後にDVD化されないケースもあります。
だから、
もし少しでも気になったなら、
映画館までわざわざ時間と手間とお金をかけて
観に行ってみることをオススメします。
最初からたくさんの人に届ける目的で作られたものは、
「良くも悪くも」多くの人にそこそこの楽しみを与えてくれます。
それはそれで、
大きなガッカリをする可能性も少なくていいのかもしれません。
対して、
届けられる人の数が少なければ少ないほど、
「良くも悪くも」尖ったものが出てきます。
その尖った先端で心をつつかれた時、
ある人には深く刺さり、
別の人には全く刺さらない。
この映画が、
あなたの心に深く刺さる、
あなたのための映画かもしれませんよ。
スポンサードリンク
スポンサードリンク
私がこの映画を観て考えたこと
あらすじ
私は、この映画を観に行く前になんの情報も入れませんでした。
持っていた情報は『きばいやんせ!私』というタイトルと、
夏帆と太賀が出ていることのみ。
どういう話かなんて知らずに観に行っても楽しめました。
だからあらすじなんて知っている必要はないと思うのですが、
心配な人もいると思うので、一言だけ。
左遷されてやる気がなくなっちゃった元女子アナの話です。
これだけわかっていればもう充分です。
すぐに映画の世界観に入っていけます。
どうしてももうちょっと話を知っておきたい、
という人は予告編を観てみてください。
ただ、個人的には、予告編は観ずに映画館に行ってほしいと思っています。
変な先入観がない方が、
観る人それぞれが自由に映画からメッセージを受け取れると思うからです。
こんなことを言うと、
「それならこの文章も書かない方がいいんじゃない?」
ってことになってしまいますが、、、
「きばいやんせ」の意味
この映画のタイトルは『きばいやんせ!私』ですが、
「きばいやんせ」とは、どういう意味でしょうか。
少し調べてみると、
「きばいやんせ」とは、
「頑張れ」
という意味の鹿児島弁だと出てきます。
(この映画の舞台は鹿児島県です)
しかし、私の感覚では、
これだと言葉のニュアンスが伝わりきっていない印象です。
「気張る」という言葉があります。
「きばいやんせ」は、
おそらく「気張る」の命令形である
「気張れ」の鹿児島弁なのだと思います。
「気張る」には、
確かに「頑張る」という意味があります。
しかし、
「気張る」と「頑張る」をイコールとして理解するのでは、
やはりなんとなく言葉のニュアンスを捉え切れていないように感じます。
辞書を引いてみましょう。
1 息をつめて力を入れる。いきむ。「―・って荷を持ち上げる」
2 気力を奮い起こす。いきごむ。「―・って仕事に取り組む」
3 格好をつけて見えをはる。また、気前よく金銭を出す。「―・って高級品を買う」「祝儀を―・る」
引用:デジタル大辞泉
「頑張る」に限りなく近い意味ではありますが、
多少ニュアンスが違うことがわかります。
だから、
『きばいやんせ!私』
というタイトルを標準語に直すとき、
『頑張れ!私』
だと意味が正確に伝わらないのです。
直すとしたら、
『気張れ!私』
でしょう。
では、
タイトルの「私」の部分はどうでしょうか。
主人公の名前は「貴子」ですから、
『きばいやんせ!貴子』
でも良さそうなものです。
しかし、
そうしなかったのには理由があると思います。
夏帆演じる主人公の貴子は、
自らに対して
「きばいやんせ!」
と(心の中で)叫びます。
実は映画の中で
「きばいやんせ!」
と叫んでいるのは貴子だけではありません。
他の登場人物たちも皆叫んでいるのです。
これがタイトルが
「貴子」
ではなく、
「私」
となっている理由だと思います。
さて、
映画の登場人物たちは、
どのように「きばる」のか。
何について「きばる」のか。
そして、なぜ「きばる」のか。
これがこの映画のタイトルからわかる
映画の見どころだと思います。
稲森和夫の『生き方』
『きばいやんせ!私』を観たとき、
すぐに一冊の本を思い出しました。
京セラやKDDIを創業した実業家である稲森和夫の本、
『生き方』
です。
この本には以下のような一節があります。
そうすることによって、苦しみの中から喜びがにじみ出るように生まれてくるものです。「好き」と「打ち込む」はコインの表と裏のようなもので、その因果関係は循環しています。好きだから仕事に打ち込めるし、打ち込むうちに好きになってくるものです。
『生き方』/稲森和夫/サンマーク出版/p109-110
そうは言っても、突然
「きばいやんせ!」
と自分に言い聞かせて頑張り始められるなら苦労しません。
では、
どうすれば「気張れる」のでしょうか。
サイモン・シネックの「ゴールデン・サークル」
サイモン・シネックというコンサルタントがいます。
シネックの有名な理論で「ゴールデン・サークル」というものがあります。
TEDで行ったスピーチ
「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」
の中で解説し、非常に有名になりました。
動画を観ていただければわかりますが、
「ゴールデン・サークル」とは、
私たち凡人がやってしまいがちな
の順ではなく、
と、よりコアな部分から問うていくことです。
シネックは組織コンサルタントなので、
優れたリーダーがどのように人々を動かすか、
という視点で語っています。
しかし、
この理論はそのまま
自分自身がどのように自分自身を動かすか、
に使うことができます。
「なんであんたは牛を育ててんの?」
「なんでわたしはアナウンサーになったんだろう?」
「Why」というのは、
理由を問う疑問詞です。
映画の登場人物たちが
「きばいやんせ!」
と言って頑張れるのは「なぜ」なのか。
映画を観終わった後に、
自分自身に
「Why」
と問いかけてみてはいかがでしょうか。
スポンサードリンク
おわりに
私はひとつだけ嘘を書いてしまいました。
冒頭では、
この映画を観に行くことにした理由として、
「なんとなく気が向いて観に行くことにした」
と書きました。
しかし実際は、
夏帆が好きだからです。(笑)
この映画の夏帆は、
性格はクソ女ですが、
もう本当にすごく可愛いです。
それだけでも観に行った価値があったなぁと思います。
色々と書いてきましたが、
映画を観に行く理由なんてなんでもいいと思います。
夏帆が好きだから、
太賀が好きだから、
鹿児島が好きだから、
たまたま空き時間にやってたから、
好きな人に誘われたから、、、
観に行った理由がどんな理由であろうと、
観に行けば何かを得られるかもしれません
自分の中の何かが変わるかもしれません
僕自身、
今回この映画にたまたま出会って、
自分と向き合ういいきっかけになりました。
あなたにも良い映画との出会いがありますように。
スポンサードリンク
スポンサードリンク