“UV”というと、
“ultraviolet”(ウルトラヴァイオレット)、
つまり、
「紫外線」のことであるということは、
多くの人が知っていると思います。
しかし、
この「紫外線」、
細かく言うと、
“UV-A”“UV-B”“UV-C”
の3つ、
さかに細かく言うと、
“VUV”“極端紫外線”
も加えて5つに分けることができます。
実は、
日焼け止めは、
これらの紫外線全てに対して対策できるものではありません。
さて、
これらの紫外線のうち、
日焼け止めで対策できるものはどれで、
他のものに関しては対策しなくても大丈夫なのでしょうか?
そして、
日焼け止めに記載されていて馴染み深い
“SPF”と“PA”
これらと紫外線の関係はどうなっているのでしょうか?
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紫外線は5種類あるって本当?
可視光線と不可視光線
太陽から地球に届く光は、
七色の光で表現されますよね。
「紫」「藍」「青」「緑」「黄」「橙」「赤」
虹ですね。
見てわかる通り、
一番波長が長い可視光線は赤、
一番波長が短い可視光線は紫です。
そして、
赤の外側を赤外線(IR:Infra Red)
紫の外側を紫外線(UV:Ultra Violet)と呼んでいて、
これらは可視光線の外側ですから、
人間の眼には見えない不可視光線です。
紫外線の種類
さて、
「紫」は、可視光線の中で最も波長が短い光でした。
ということは、
「紫外線」はさらに波長が短いということになります。
そして、
地球に届いている可視光線の「紫」から遠ざかっていくのですから、
波長が短くなればなるほど、
地球には届きにくくなるということも想像できるでしょう。
紫外線は、
可視光線の紫に近いものから順に
「A」「B」「C」
と名前が付けられています。
波長:320nm~400nm
地表に届く紫外線のうちの約95%を占める。
【UV-B】
波長:290nm~320nm
地表に届く紫外線のうちの約5%を占める。
【UV-C】
波長:200nm~290nm
オゾン層に遮られるため、地表には届かない。
(近年のオゾン層破壊の影響で、
標高が高い山の山頂付近では観測されるという説あり)
この他に、
UV-Cよりもさらに波長が短い紫外線が、あと2種類あります。
UV-Cでも地表に届かないのですから、
それよりも波長が短い紫外線ももちろん地表には届きません。
引き続き波長が短い順に、
紹介だけしておきましょう。
波長:10nm~200nm
遠紫外線、真空紫外線とも呼ばれる。
【極端紫外線】
波長:10nm~121nm
紫外線ではなく、X線に分類されることもある。
ここまで紫外線の種類を5種類紹介してきましたが、
地表に届くのがUV-AとUV-Bだけですから、
紫外線対策として考えなければならないのは、
UV-AとUV-Bだけということになります。
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UV-AとUV-B、SPFとPAとの関係は?
次に、
紫外線と日焼け止めの関係について書いていきます。
UV-AとPA
よく日焼け止めに書いてある
「PA」という表記。
これは、
「Protection grade of UV-A」
の略です。
つまり、
「PA」はUV-Aの防止効果の高さを表しています。
「PA」は、日本では、
「PA+」~「PA++++」までの4段階で表されます。
アメリカの日焼け止めには、
このようなグレードの表記はなく、
「Broad spectrum」
という表記が、
「PA」の防止効果も持っていることを表します。
UV-A
UV-Aは、
浴びた量の20%~30%が肌の奥にある真皮層と呼ばれる場所まで届き、
そこにある繊維芽細胞を損傷させます。
繊維芽細胞は、
肌の弾力を生むコラーゲンやヒアルロン酸などを作り出す細胞です。
そのため、
UV-Aを浴びると、
・肌にシワができる
・肌にシミができる
といった「光老化」と呼ばれる肌の老化現象が起こります。
「ロングUV-A」と「ショートUV-A」
そんなUV-Aですが、
波長の長さによってさらに2つに分けられます。
波長:340nm〜400nm
地表に届く紫外線の48%、UV-Aだけで見ると約半分。
「Deep紫外線」や「長波長UV-A」とも呼ばれる。
多くの日焼け止めで防ぎきれない。
窓やガラス、日傘なども透過する。
(UVは波長が長い方が物質の透過率が高い)
【ショートUV-A】
波長:320nm~340nm
市販の日焼け止めで防御可能。
UVは波長が長くなればなるほどエネルギーが強くなるため、
ロングUV-Aと比べると、
ショートUV-Aの方がエネルギーは強い。
ロングUV-AはショートUV-Aよりもエネルギーは小さいですが、
より肌の奥深いところまで到達しますので、
無視できない存在です。
「PA」の表示や、
「Broad spectrum」の表示がある日焼け止めの多くは、
「ショートUV-A」にしか対応していません。
「ロングUV-A」に対してもしっかりケアしていきたいという場合は、
例えば、
「アスタリフト ホワイト パーフェクトUVクリアソリューション」
などのように、
「ロングUV-A」に対応していることが明記されたものを選ぶ必要があります。
UV-BとSPF
「SPF」という表記も、
日焼け止めを選ぶ際に必ず確認するポイントだと思います。
この「SPF」は、
「Sun Protection Factor」
の略なのですが、
UV-Bの防止効果を表すものです。
「SPF」は、
数字が大きくなればなるほど防止効果が高いことを示すのですが、
最大の数字は「50」です。
実際には、
50以上の効果がある商品でも、50と表記されることになっています。
ただ、
30以上に関しては、
それほど大きな効果の違いはないようです。
数字が大きくなればなるほど、
肌にかかる負担が大きくなるため、
こだわりがないようであれば、
30を目安に選んでみるのがいいと思います。
また、
「PA」と違って「SPF」は、
アメリカの製品にも表示されています。
UV-B
UV-Bのほとんどは、
肌の表面で吸収されます。
そのためUV-Aとは違い、
肌の奥の真皮層まで届くことはほとんどありません。
その代わり、
UV-BはUV-Aよりも強いエネルギーを持っています。
UV-Bを浴びると、
・メラニン色素が沈着して褐色になる(サンタン)
・シミやソバカスの原因になる
というような影響が肌に出ます。
さいごに
ここまでで、
紫外線と日焼け止めの関係について、
わからなかったことがスッキリしたでしょうか?
今まで「なんとなく」で選んでいた日焼け止めを、
改めて選び直して、
自分にピッタリのものを見つけてくださいね!
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