「ももクロ」こと「ももいろクローバーZ」。
このアイドルグループの名前はよく知られていて、
多くの人が聞き慣れている名前だと思いますが、
少し立ち止まって考えてみると、
ちょっと不思議な名前だということに気が付きます。
「ももいろクローバー」はいいとして、
「Z」ってなんなんだ?
実は、
グループ発足当初の名前は
「ももいろクローバー」。
「Z」はついていませんでした。
グループ名が改名されたのは、
あるひとりのメンバーがグループから卒業したことがきっかけでした。
これはなんとなくタイミングとして理解できます。
グループとして再スタートを切るタイミングだからです。
しかし、
この頃のももいろクローバーは、
無名の状態からようやくほんの少しファンがつき始めていたときだったのです。
卒業があったとはいえ、
やっとグループ名が認知され始めたというときに、
わざわざ名前を変えたということです。
こういった状況も踏まえて考えてみると、
「なぜ?」という疑問が湧いてきます。
さて、
なぜグループ名を変えることにしたのか、
異例の決断をした理由はいったいなんだったのでしょうか?
そして、
メンバーやファンに違和感を与えてまでグループ名につけられた
「Z」
という文字にはどんな意味が込められたのでしょうか?
この記事では、
「ももいろクローバーZ」の「Z」の意味について、
まだモノノフではないけれど、
ももクロにちょっと興味があるあなたのために
簡単に説明していきたいと思います!
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ももクロとは?
ももいろクローバーZの「Z」の意味について理解するためには、
ももいろクローバーがももいろクローバーZに改名された背景を知っておく必要があります。
それはつまり、
ももいろクローバーZの歴史を知らなければならないということです。
そこでまずは、
「ももいろクローバー」発足から、
「ももいろクローバーZ」に至るまでの歴史を
簡単にひも解いていきたいと思います。
ももいろクローバー結成
「ももいろクローバー」は、
2008年5月17日に結成されました。
現在、
ももいろクローバーZは、
・玉井詩織(たまいしおり⇒しおりん)
・高城れに(たかぎれに⇒れにちゃん)
・佐々木彩夏(ささきあやか⇒あーりん)
の4人で活動していますが、結成当初のメンバーは6人。
あーりん以外の3人は初期メンバーです。
2008年:定まらないメンバー
メンバーの変遷
結成から1年間はメンバーの入れ替わりが激しく、グループとしてなかなか安定しない時期でした。
メンバーは以下のように変遷していきました。
・08/09:ひとり脱退、ひとり加入で6人
・11/23:3人加入して9人(ここで佐々木彩夏と早見あかり、柏幸奈が加入)
・12/29:3人脱退して6人
結成から約半年間でこれだけの入れ替わりがあったということです。
2008年末時点でのメンバーは6人。
・玉井詩織
・高城れに
・佐々木彩夏
・早見あかり(はやみあかり)
・柏幸奈(かしわゆきな)
ここからさらに、
2009年3月9日には後に乃木坂46に加入することになる柏幸奈が卒業。
(乃木坂46は2013年11月12日に卒業し、現在は女優として活動)
ももいろクローバーは5人になりました。
活動について
結成から1年間の活動内容は、
代々木公園や飯田橋駅ビルの一角でのライブがメインで、CDは手売りしていました。
2009年:形になってきたグループ
モーレツにハードなツアー
そんな結成1年目とは打って変わって、
結成2年目はメンバーの入れ替わりが落ち着き、活動内容も大きく変化し始めます。
「ももいろパンチ」という曲でインディーズデビューが決まり、
2009年5月24日から8月16日までの期間、プロモーションを兼ねた全国ツアーを開始。
(『ヤマダ電機Presents 〜ももいろクローバーJAPANツアー2009 ももいろTyphooooon!〜』)
全国ツアーと言っても、
その内容は全国のヤマダ電機24か所の店先を借りた104公演の無料ライブで、
当時実施されていた休日のETC料金上限1000円のキャンペーンを利用し、
8人乗りのワゴン車一台で車中泊をしながら会場を回るというモーレツにハードな内容でした。
ヤマダ電機川崎店でのライブの際には、
ライブが始まる夜になってから照明器具がないことに気づき、
車のヘッドライトで照らしてライブを決行したというエピソードは、
モノノフの中では有名な話です。
このようなハードなツアーをやり切った結果、
インディーズデビューシングルの「ももいろパンチ」は、
このツアー中の手売りのみでオリコン週間ランキング11位を達成しました。
有安杏果
この年の大きな出来事として挙げられるのは、
ツアー途中の7月26日に有安杏果(ありやすももか⇒ももか)が加入したことです。
ももいろクローバーは6人となって、ようやくメンバーが固まり、
現在のももクロの原型ができてきます。
メンバーのイメージカラーが設定されたのもこの頃からです。
(2009年9月20日に行われた「ももいろクローバーCHAMPION CARNIVAL AKBA 5DAYS」の2日目から)
早見あかり:青
玉井詩織:黄
佐々木彩夏:ピンク
有安杏果:緑
高城れに:紫
集客について
結成2年目はグループとしては形になってきた年でしたが、
集客は思うように伸びず、
172席の会場がなんとか埋まる程度でした。
2010年:ようやく高まってきた認知度
メジャーデビュー
結成3年目、ももいろクローバーのメジャーデビューが決まります。
2010年5月5日に発売したメジャーデビューシングル「行くぜっ!怪盗少女」は、
初登場でオリコンデイリーチャート1位、ウィークリーチャート3位を獲得しました。
と言うと凄く売れたように聞こえますが、
実際はそれほど話題になりませんでした。
今でこそ、この曲はももクロの代表曲となりましたが、
初動売り上げは2万枚程度。
テレビ出演のオファーがあった歌番組はNHKの『MUSIC JAPAN』のみです。
それでも、
メジャーデビューした効果はあり、
ステージでのパフォーマンス向上、アイドルフェスなどへの出演もあって、
少しずつファンを獲得していきました。
日本青年館
12月24日には初の単独ホールコンサートを
「アイドルの登竜門」と言われてきた日本青年館大ホールで開催。
「本物のプロになる」という意味をこめて、
『ももいろクリスマス in 日本青年館〜脱皮:DAPPI〜』
というタイトルがつけられたこのライブのチケットは、
1200席が一般発売開始30分で完売。
それでもお客さんが本当に来てくれると信じられなかったメンバーたちは、
開演後、ステージの幕が開けたとき、
これまでにない広い会場が満席になっているのを見て、
感極まって歌えなくなってしまうほど。
終演後、6人は共にグループを作ってきたマネージャーの川上アキラに抱きつき、
号泣しながら喜びを分かち合いました。
あかりん
一般の知名度はまだそれほど高くないものの、
アイドル界の中では着実に頭角を現し始めたももいろクローバー。
結成3年目にして1200席の会場を埋めることができました。
「アイドルの登竜門」をくぐり抜けた彼女たちの未来に、
少しずつ光が見えてきました。
早見あかりの卒業が決まったのは、
そんな2011年の新年早々のことでした。
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「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」へ
あかりんはサブリーダーというポジションを任されており、
ライブではMCを担当。
そういう意味で、
グループに居場所がなかったということはなく、
むしろグループを回している中心的なメンバーでした。
しかし本人は
「私はアイドルには向いてなかった」
と語っており、
元々目指していた女優の道に進もうと決心したようです。
彼女にこういった思いや夢があったにせよ、
グループとしてようやく光が見えてきたタイミングです。
グループとして売れてから女優に転身するという選択肢もありました。
それでも卒業を決めたのです。
彼女にとって、とても勇気が必要な大きな決断だったと言えるでしょう。
そして、
彼女の決断は、ももいろクローバーにとっても大きな出来事でした。
グループにとって非常に重要な存在だったあかりんを、
まさかのタイミングで失うことになってしまったのですから。
改名の理由
改名発表のタイミング
卒業発表から約4か月後の2011年4月10日、
「4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事~眩しさの中に君がいた~」
が開催され、
あかりんの卒業公演となったこの公演のラストで、
「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」への改名が発表されました。
卒業公演のラストというタイミングで発表した理由について、
演出を手掛けた佐々木敦規が
「これからが新しいものが始まるんだよっていうのをそこで提示しておきたかった」
と語っていることから、
改名は「早見あかりの卒業」がキーになっていることがわかります。
改名が提案された理由
改名それ自体は、
所属レコード会社であるキングレコードのチーフディレクター宮本純乃介が
グループ名に「Z」を付けることを提案し、
川上アキラも「マジンガーZみたいでいいじゃん」と賛同して、
すんなり決まってしまったそうです。
そもそもなぜ宮本純乃介が改名を提案したかというと、
「心機一転名前が進化した感じにしたい」
という話になったからです。
そう、
「心機一転」したいタイミングだったということです。
メンバーにも、運営にも、ファンにも、
気持ちを切り替えるための明確な”何か”が必要だったのです。
それほどまでに、
このタイミングでのあかりんの卒業はインパクトが大きかったのです。
これが、
「ももいろクローバー」が「ももいろクローバーZ」になった理由です。
「Z」への戸惑い
こういった経緯で改名が行われましたが、
「Z」になるという話は、会場での発表までファンはおろか、メンバーすら知らされていなかったため、
発表直後はメンバーにもファンにも戸惑いがあったようです。
早見あかり卒業から1か月後の5月から7月にかけて
全国のZeppで行った5人体制になってから初のライブツアーのタイトルが
「Zでいくって決めたんだZ!!」
というものだったことから、
運営やメンバー、ファンの当時の心境、とまどいや決意を察することができます。
「Z」の意味
さて、本題の「Z」の意味についてです。
ここまで書いてきたももいろクローバーの歴史、あかりんの卒業をきっかけとした改名については、
「はじめてのももクロ」という公式の映像作品にも収められています。
しかし、
「Z」にどんな意味を込めたのかという肝心の点に関しては、
公式の情報が見当たりません。
水木一郎
マジンガーZのテーマソングの歌い手として知られる水木一郎は、
あかりん卒業から数日後に開催されたイベントで、
ももいろクローバーZにZの文字を宙に書いて指を突き出す「Zポーズ」を伝授したのですが、
その際に「Z」の意味についても説明しています。
Aに戻ることができることから「初心に帰る」という意味もある
この説明がすべてだと思います。
「あかりんはもういないんだ」
「ももクロはこの5人でやっていくんだ」
「自分たちは無限なんだ」
「究極を目指して進んでいくんだ」
「グループとして生まれ変わらなければならないんだ」
「Z」には、
こういった当時のメンバーや運営の決意が込められているように思います。
Ζガンダム
ちなみに、『Ζガンダム』というアニメ作品があります。
この「Ζ」は形がアルファベットの「Z」に非常に似ていますが、
「ゼータ」と読むギリシャ文字です。
この「Ζガンダム」という作品は初代『機動戦士ガンダム』に次ぐガンダムシリーズ2作目であることから、
『2』に形が似ている『Z』をタイトルに使用したという説があります。
この話になぞらえて、
「ももいろクローバーZは、ももいろクローバーの第二章だ」
と解釈してみることもできるのではないでしょうか。
ももいろクローバーZのその先
あかりん卒業から5人になり、
長らくこの5人体制が続きました。
ももいろクローバーZのファンのことを「モノノフ」と呼ぶようになったり、
1stアルバム『バトル アンド ロマンス』が全国のショップ店員による投票で、
第4回CDショップ大賞の「最も売りたい作品」に選ばれたり、
ラジオやテレビのレギュラー番組の開始、
ロックフェスや紅白歌合戦への出場、
ライブ会場は、さいたまスーパーアリーナや西武ドームなど大きな箱が当たり前となり、
国立競技場でのライブも達成しました。
「ももいろクローバーZ」というアイドルグループが
ついに世間一般で当たり前に知られるようになったのです。
ももか
あかりんの卒業から7年弱が経ち、
結成10周年を目前とした2018年1月21日、
「ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」のステージを最後に、
有安杏果がももいろクローバーZを卒業しました。
Team Diamond Four
このとき、グループ名の改名はありませんでしたが、
4人体制でのプロジェクト名がつけられました。
「Team Diamond Four」
略して「TDF」です。
「TDF」とは4人になったももいろクローバーZを中心に、
グループを支える運営やモノノフまでもを全部含めたチームのことです。
また、
5人体制の頃に歌っていた曲の4人バージョンが
4人になってから出したアルバム
『桃も十、番茶も出花』や
『MOMOIRO CLOVER Z』に収録された際には、
曲名に「-ΖΖ ver.-」という表示がされました。
タイトル表示が変わっただけでなく、
もちろん歌うパートも変わっていますし、
アレンジも、曲によっては歌詞も変わっています。
ライブで見せる曲に関しても、
歌い分けや振り付け、フォーメーション、ステージ上での動きまで、
4人バージョンにゼロから作り直しています。
「5人から4人になってスケールダウンした」
などとはモノノフの誰ひとりとして思わないほどに、
また新たなももいろクローバーZとして進化していったのです。
『Z』の誓い
グループ名の変更はありませんでしたが、
残った4人のメンバーは、あかりんが抜けたときと同じように前に進んでいきました。
ももかが卒業したことは、もちろん大きな出来事でした。
長年一緒に頑張ってきた仲間なのだということを思えば、
彼女たちの気持ちは察することができます。
しかし、
この頃のももクロはもう、
名前を変えなくても前に進めるようになっていたのだと思います。
彼女たちは「Z」に向かって歩みを止めない。
何があっても、何もなくても、常に
立ち止まることなく進化・変化を続け、究極を目指していくグループ、
そういう意思を表したものが
ももいろクローバーZの「Z」の意味なのだと私は思います。
コワレモノと知って
人は戦士に 生まれ変わる
まずは胸に咲いた 小さな夢を 守るんだね
闇に 潰されないように 守れるかな?
迷うことも任務さ team「Z」
ももいろクローバーZ/『Zの誓い』
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