バーナム効果とは？『グレイテスト・ショーマン』のバーナムが由来？

P・Tバーナム(http://madamsteam.com/column/12292より転載)

映画『グレイテスト・ショーマン』
がヒットしています。

私も観に行ってきましたが、
何の前情報も入れずに観に行ったので、
「こんな話なんだ！」
と驚きでした。

映画のラストで、
P・Tバーナムの名言

“THE NOBLEST ART IS THAT OF MAKING OTHERS HAPPY.”
(至高の芸術とは見る者を幸福にするものだ。)

が表示されて、
そこで初めて
「あ、これもしかして実話なの？」
と気づきました。

それで、
映画が終わってから
インターネットで色々と調べてみたのですが、
そうしたら、
ヒュー・ジャックマン扮する映画の主人公P・Tバーナム
の名前が元になった言葉
「バーナム効果」
というものがあることを知りました。

そこでこの記事では、
「バーナム効果」について、
私が調べたことについて書いていきたいと思います！

バーナム効果とは？

まずは、
バーナム効果の定義をWikipediaから引いてみましょう。

「バーナム効果」
の名付け親はポール・ミールというアメリカの心理学者です。

「バーナム効果」というネーミングは、
P・Tバーナムの言葉から由来しています。

その言葉とは、

we’ve got something for everyone.
(誰にでも当てはまる要点というものがある)

です。

最初に書いたバーナム効果の定義を
そのものズバリ言い表していますよね。

バーナムは、
人にはこういった特性があるということを、
心理学者が実験によって明らかにする前から
わかっていたということです。

フォアの実験

バーナム効果は、
「フォアラー効果」
と呼ばれることもあります。

「フォアラー効果」の名前は、
アメリカの心理学者である
バートラム・フォアにちなんで名づけられたものです。

バートラム・フォアは、
1948年に「バーナム効果」に関する実験を行っています。

その実験は、

という手順で行われました。

学生たちの評価は、
「まったく異なる」を「0」、
「非常に正確」を「5」とした
0～5の五段階評価で行われ、
このときの平均点は4.26でした。

「カナリ当たっている」と言えます。

しかし、
実は、フォアが学生たちに渡した心理検査の分析結果は、
星座占いの文章を組み合わせて作ったもので、
心理検査とは全く関係なく用意されたものでした。

しかも、
どの学生に対しても、全く同じ分析結果を渡していたのです。

ちなみに、
フォアが学生たちに渡した心理分析結果は、
以下のような内容です。

これだけ見ると、
当たり障りのないことしか言っていない、
というか、もはや何も言っていないに等しいことがわかりますが、
実際にいくつかの質問に答えた後にこれが出てきたら、
ついつい「当たってる」と思ってしまうのではないでしょうか。

よくよく見てみると、
これらの文はどのようにでも解釈できる曖昧な文ばかりです。

このような表現を「マルチプルアウトな表現」というのですが、
人は、このような表現をされると、
「たしかにそういう面があるかも。そういえばこの間、、、」
などと、
勝手に自分に当てはまるように解釈してしまうのです。

バーナム効果がより強く出る条件

「フォアの実験」の後、
ディクソンとケリーという二人の心理学者によって、
バーナム効果がより強く発揮される条件が明らかになりました。

という3つの条件を満たすとき、
フォアの実験での、
心理分析結果に対する学生の評価が高くなります。

現実の世界で考えてみると、
よく当たるという評判の占い師が、
自分と一対一で質問と応答を繰り返し、
その問答に対する占い結果として、
「あなたはこのまま自分を信じて努力すれば成功できますよ」
などと、前向きなことを言われたときに、
「絶対当たっている！」
と強く思ってしまうということでしょう。

私自身の話をすれば、、
以前占い師に占ってもらったとき、
「あなたは大器晩成型だから、5,6年後に良い結果が出始める」
と言われたことを、
ちょっと信じていたりします。(笑)

おわりに

実際のP・Tバーナムは、
広告(主にホラ話)にとても力を入れていた人物でした。

映画の中のバーナムも、
勢いがあって、口が上手い人物として描かれていましたが、
実際、
人の心理をよく理解していて、
人を動かすのが上手い人物だったことは間違いなさそうです。

バーナム効果は、
「血液型占い」「星座占い」などの占いだけでなく、
恋愛や営業のテクニックとしても利用されています。

とても簡単に起こる心理現象ですから、
悪用はいけませんが、
コミュニケーションのちょっとしたコツとして、
利用してみてください。