今(2018年1月22日)、googleのトップのロゴ部分に
お洒落なアートワークが表示されています。
スタイリッシュな紳士が映画のフィルムを手に持ち、
その周りにはフィルムが“Google”の文字の形に踊っています。
白黒のアートワークがレトロでカッコイイ。
一見して、
「映画関係の偉人なんだろうな」
ということはなんとなく察せられるのですが、
具体的に誰なのかは全く予想もできません。
(そもそも映画に詳しくないですし)
調べてみたところ、この人は
「セルゲイ・エイゼンシュテイン」
という名前で、映画史における重要人物でした。
というわけで、
この記事では
「セルゲイ・エイゼンシュテイン」とは誰なのか、
そして、彼の代表作で、誰もがどこかで名前を聞いたことがある
『戦艦ポチョムキン』という映画はなぜ有名なのか、
についてまとめていきたいと思います!
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セルゲイ・エイゼンシュテインとは?
話をわかりやすくするために、
セルゲイ・エイゼンシュテインのプロフィールを表にまとめてみました。
ここからは表を少しだけ補足していきます。
セルゲイ・エイゼンシュテインの生まれについて
セルゲイ・エイゼンシュテインの正式な名前は、
間にミドルネームが入り、
「セルゲイ・ミハイロヴィチ・エイゼンシュテイン」
です。
1898年に生まれ、1948年に死去していますから、
今年2018年は、生誕120周年、没後70年の節目の年になります。
(それが理由でgoogleトップ画面のロゴになりました)
父親がユダヤ人の血を引いていますが、
曽祖父母の時代にはすでにユダヤ教から、
キリスト教の教派のひとつである東方正教会に改宗していたため、
エイゼンシュテインにはユダヤ人という意識はなく、
ソ連人(ロシア人)であるという自覚が強かったようです。
写真を載せておきましょう。
この人です。
いかにもアーティストな、
鬼才っぽい雰囲気が出ているように感じるのは単なる先入観でしょうか。。。
セルゲイ・エイゼンシュテインの職業について
彼の職業は映画監督です。
最初はアマチュア演劇に関わるところから始まり、
その後、映画の勉強を始め、
映画監督としての活躍が始まったのは、彼が27歳のとき、
1925年に製作した『ストライキ』という映画からです。
そして、
同じ1925年、長編第二作目として製作した映画が、
誰もが一度は耳にしたことがあるタイトル、
彼の代表作である『戦艦ポチョムキン』です。
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『戦艦ポチョムキン』はなぜ有名なのか?
さて、
『戦艦ポチョムキン』というタイトルは、
多くの人が、
「あ、なんかそれ聞いたことある!」
と言うタイトルだと思います。
それではなぜ、
『戦艦ポチョムキン』はこんなにもボンヤリと(笑)有名なのでしょうか。
その理由を紐解いていきたいと思います。
『戦艦ポチョムキン』とはどんな映画なのか
『戦艦ポチョムキン』はすでにパブリックドメイン化、
つまり、保護期間が過ぎて、著作権フリーの状態になっています。
そのため、
YouTubeにもフルの動画が上がっていて、
無料で見ることができます。
この映画は史実が元になっていて、
話の内容としては、
戦艦ポチョムキンという戦艦があって、
そこで出されるご飯があまりにも不味い。
スープにウジが入っていて、飲めたものではない。
パンや肉にもウジが沸いていて、
「なんてものを食わすんだ!」
とみんなでストライキを起こす。
これがきっかけで軍隊が出動してきて大虐殺が繰り広げられていく。
こういったあらすじの話です。
「オデッサの階段」とは?
この映画の中には超有名なシーンがあります。
それが「オデッサの階段」です。
このシーンは様々な作品でオマージュ、パロディの元ネタとされてきました。
・『未来世紀ブラジル』
・『ウディ・アレンのバナナ』
・『1ポンドの福音』
・『古代少女隊ドグーンV』第7話「妖怪 こんにちは青ちゃん 登場」
・『TAKE FIVE〜俺たちは愛を盗めるか〜』第3話
・『明日の光をつかめ』シーズン1 第40話
・『13日の金曜日』 PART2
・『超能力ファミリー サンダーマン』第13話 「発生! ニューパワー」
特に最初に挙げたショーン・コネリー主演のハリウッド映画、
『アンタッチャブル』のオマージュは、
公開当初から話題となった有名なオマージュです。
「モンタージュ理論」とは何か
セルゲイ・エイゼンシュテインが
『戦艦ポチョムキン』で確立した映画の編集技法があり、
これが非常に有名で、後世の映画人にも影響を与えています。
その技法が「モンタージュ理論」です。
視点が違う複数のカットを組み合わせていく編集の方法を
「モンタージュ」というのですが、
エイゼンシュタインが確立した
「エイゼンシュテイン・モンタージュ」
と呼ばれるモンタージュ理論は組み合わせに“意味”があります。
たとえば『戦艦ポチョムキン』では、
水兵が働く映像とウジ虫が沸いたスープの映像を、
繰り返し繰り返しモンタージュする(組み合わせる)ことによって、
映像に「ウジ虫としての水兵」という新たな意味を持たせています。
つまり、
です。
「お前らなんかウジ虫みたいなものだ!」
とセリフで言うのではなく、
映像で表現して伝える手法なのです。
日本語を学んでいたエイゼンシュタイン
エイゼンシュタインは映画人になる前、
日本人教師に漢字を習っていました。
漢字は、
・身 + 美 = 躾
などのように、
漢字と漢字の組み合わせで全く新しい別の意味になります。
エイゼンシュタインは漢字のこの仕組みに興味を持ち、
これが後に「エイゼンシュテイン・モンタージュ」を
確立するひとつのヒントとなったようです。
こうして見ていくと、
「映像表現」というのもとても奥が深く、面白いです。
「エイゼンシュテイン・モンタージュ」は
日本人になじみの深い「漢字」が元になった手法です。
日本人である私たちは抵抗なく受け入れられる表現だと思います。
今作られている映画やドラマの中でも、
この手法が使われていることがありますので、
少し注意して見てみると、
これまでよりも「映像」自体を楽しむことができるかもしれませんよ!
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はじめまして。
アイキャッチ画像の映写機のイラスト、かわいいですね!
こちら、イベント(地域の上映会)のポスターで使用したいのですが、著作権はどちらになりますでしょうか?
はじめまして。
管理人のkumaです。
アイキャッチの映写機の画像は、著作権フリーです。
フリー画像サイトのピクサベイ(https://pixabay.com/)から拝借しました。
サイト内で「フィルム」と検索すると出てきます。
他にも映写機関連の画像が沢山あるので、
サイトも見てみると参考になるかもしれません。