2018年2月2日、
長野県の諏訪湖で5年ぶりに「御神渡り(おみわたり)」が確認されました。
今日は、
こんなニュースが流れていましたが、
実際のところ、
御神渡りとは、なんなのでしょうか?
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御神渡りとは?
御神渡りとは、
画像をみていただければわかる通り、
凍った湖の水面が山脈のように盛り上がって連なる自然現象です。
盛り上がる高さは最高50cm~1mにもなり、
長さは数kmに及びます。
大ヒットした映画『君の名は。』に出てくる「糸守湖」のモデルであるとも言われている、
長野県にある諏訪湖で起こることが有名な自然現象ですが、
北海道の屈斜路湖(くっしゃろこ)や塘路湖(とうろこ)などでも見ることができます。
ただ、
後で書きますが、
「御神渡り」という言葉の由来は諏訪湖にありますので、
他の湖でのこの現象を「御神渡り」と呼ぶのは、
正確ではありません。
「御神渡り現象」などと呼ぶべきです。
そのため、
今回のこの記事でまとめる内容は、
諏訪湖で起こる「御神渡り」です。
近年は平均気温が上がったことも影響して、
この「御神渡り」が起こる頻度が少なくなっています。
2000年代で起こったのは、
2003年、2004年、2006年、2008年、2012年、2013年、
そして今年2018年が5年ぶりで、
現状、2000年代は「7回/19年」です。
御神渡りはいつ頃、なぜ起こるの?
御神渡りが起こるのは、
1月中旬~2月の初旬頃、
冬の寒さが厳しい季節です。
そして、
この現象が起こるのは、
・夜冷やされたときに収縮して亀裂が入る
・亀裂が入った部分に新しく薄い氷が張る
・日中気温が上がると、湖面の氷が膨張する
・膨張する際に、亀裂の間に張っていた薄い氷を押し上げる
・これを繰り返して成長する
という理屈です。
ちなみに、
御神渡りが観測できなかった年の海のことを
「明けの海(あけのうみ)」と呼んでいます。
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「御神渡り」の言葉の由来は伝説が元なの?
ここまで説明してきた自然現象を表す
「御神渡り」
というちょっと神秘的な言葉は、
諏訪湖にまつわる伝説が元になっています。
諏訪大社は、
「上社」と「下社」が、
ちょうど諏訪湖を挟んでちょうど対角に位置しています。
その昔、
諏訪大社の上社にいる男の神様が、
対岸の下社にいる女の神様に会うために氷の上を渡ったと言われていて、
山脈のように連なった氷の跡はそのときにできた跡である、
ということから「御神渡り」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、
男の神様は「建御名方神(たけみなかたのかみ)」、
女の神様は「八坂刀売神(やさかとめのかみ)」という名前です。
御渡り神事とは?
「御神渡り」が確認されると、
その年の豊作・凶作など世相を占う
「御神渡り神事(みわたりしんじ)」
が行われます。
そもそも、
「御神渡りである」と認定するのは、
この「御神渡り神事」を行う八剱(やつるぎ)神社の宮司さんです。
八剱神社は、
諏訪大社上社に付属する神社(摂社)です。
世相は、
御神渡りができた時期、位置、方向や出来具合いなどを見て、
「御渡帳」などに記載されている過去の記録と照らし合わせて占われ、
結果を宮内庁と気象庁に報告することが慣例になっています
(かつては幕府に報告していたそうです)。
さてさて、
2018年の世相はどのように占われるのか、
御神渡り神事が楽しみです。
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