「甲子園」は、なぜあんなに見る人を夢中にさせるのでしょうか?
プロ野球や大学野球と比べると、
まだまだ技術も劣る高校生の野球なのに、
大学野球や、人によってはプロ野球よりも好きだと言います。
私個人の話をすれば、
私は北海道出身なので、
やっぱり思い出の甲子園と言えば、
駒沢苫小牧高校が北海道勢初優勝を成し遂げた夏の甲子園です。
さて、「甲子園」は一年に2回行われています。
★毎年8月に開催される「全国高等学校野球選手権大会」、通称「夏の甲子園」
そう、「甲子園」とは本来、大会名ではありません。
「阪神甲子園球場」という舞台の名前なのです。
毎年感動を生んでいるこの「阪神甲子園球場」=「甲子園」という場所の、
名前の由来を調べてみました。
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「甲子園」の名前の由来は?
それではさっそく「甲子園」という名前の由来を説明しましょう。
兵庫県の南東部にある「六甲山」の「甲」と、
子どもや若者が集まる場所であるということから「子」を使って、
「甲子園」と呼ぶことになったのです。
、、、という説明はあまり一般的ではありませんが、
こういう説もあります。
ちなみに、
「六甲山」は阪神タイガースの球団歌である「六甲おろし」の「六甲山」です。
阪神タイガースの球団歌は正式には『阪神タイガースの歌』という名前で、
「六甲おろし」というのは通称です。
「六甲山」から吹き下ろす風のことを「六甲おろし」というのですが、
『阪神タイガースの歌』の歌い出しの歌詞が「六甲おろし」なので、
おそらく通称はそこから来ているのだと思います。
「甲子園」という名前は球場ができた年の干支から来ている!?
話を戻して、「甲子園」の名前の由来についてです。
最も有名で、おそらく本命の理由は、
阪神甲子園球場が完成した“年”が深くかかわっています。
阪神甲子園球場が完成したのは、
1924年(大正13年)の3月11日です。
この1924年という年は、
十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)、つまり干支(えと)の最初の年である
「甲子(きのえね、こうし、かっし)」
の年で、とても縁起の良い年です。
元々、完成するまでは「枝川運動場」と呼ばれていた球場を、
この縁起の良い「甲子」の年にできたことから
「甲子園」
と呼ぶことになったのです。
ちなみに最初に「枝川運動場」と呼ばれていたのは、
この球場を建てた場所が、
元々流れていた「枝川」という川を埋め立てた場所だったからです。
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そもそも「十干」と「十二支」と「干支」って、なんでしたっけ?
「十干」と「十二支」と「干支」は、
わりと混同されて使われています。
「今年の干支って何だっけ?」
に対して、
「犬だよ!」
と答えるのは、実は不正確です。
「犬」は十二支のうちのひとつで、
干支は十干と十二支の組み合わせですから、
「犬」では十干の部分が足りないのです。
※ただ、この質問に対して、
「戊戌(つちのえいぬ)だよ!」
と答えると、
「コイツ何言ってんの?」
という顔をされること間違いなしなので、
会話の中では今後も上記の会話のように答えることをオススメします。。。
「十干」って何?
「十干」の「干」の語源は木の幹です。
・乙(おつ)
・丙(へい)
・丁(てい)
・戊(ぼ)
・己(き)
・庚(こう)
・辛(しん)
・壬(じん)
・癸(き)
の十個の漢字で表します。
法律文書などで「甲」「乙」「丙」ぐらいまでであれば見たことがあるかもしれませんね。
そのあとの7つは普段はあまり目にしないかもしれませんが。。。
ちなみに、さらにこの十干を五行(木、火、土、金、水)にあてはめ、
その上で陽を表す兄(え)と陰を表す弟(と)を順に組み合わせて、
以下のように呼ぶこともあります。
・乙(木の弟:きのと)
・丙(火の兄:ひのえ)
・丁(火の弟:ひのと)
・戊(土の兄:つちのえ)
・己(土の弟:つちのと)
・庚(金の兄:かのえ)
・辛(金の弟:かのと)
・壬(水の兄:みずのえ)
・癸(水の弟:みずのと)
たとえば、「甲」の一字で「きのえ」と呼ぶのです。
あまりないと思いますが、
もしどこかで「きのえ」と聞くことがあれば、
「五行の木と陰陽の陽(兄)のことね~」
と気付けると、少し面白いかもしれません。
「干支」って何?
「十二支」はみなさんご存じ、年賀状に書く動物です。(笑)
・丑(うし)
・寅(とら)
・卯(う)
・辰(たつ)
・巳(み)
・午(うま)
・未(ひつじ)
・申(さる)
・酉(とり)
・戌(いぬ)
・亥(い)
十二支は上記十二の動物で表しますが、
十二支の「支」というのは、「枝」を意味します。
十干の「幹」に対する「枝」ですね。
そして、木の幹である「十干」と、
木の枝である「十二支」を組み合わせて、
「干支」を作るのです。
10×12=60
ですので、
組み合わせは60通りです。
ちなみに「還暦」という言葉がありますが、
この言葉は「干支」からきています。
60年生きるとちょうど自分が生まれた年の干支に戻ってくるので、
数え年で61歳を「還暦」と言うのです。
干支の表記は、ただ十干と十二支を並べたもので、
例えば以下のようになります。
・壬申(みずのえさる、じんしん)
・辛亥(かのとい、しんがい)
「あれ、なんか見たことあるなぁ」
というものをピックアップしてみました。
「戊辰」は「戊辰戦争」
「壬申」は「壬申の乱」
「辛亥」は「辛亥革命」
の名前の元になった干支です。
干支は60種類の組み合わせがあるのですから、
どの干支も60年に一度しか来ません。
そうであるのに、
その中でも「甲子」の年は縁起が良い、
と言われる理由は、
「甲」と「子」の組み合わせ自体が、
干支の中でも相性のいい組み合わせであるということ、
先程も書いたように、
「甲」と「子」は、
十干と十二支のそれぞれ最初の年であるということが理由としてあります。
「干支」の仕組みを知ると、
「阪神甲子園球場」が完成した「甲子」という年の縁起の良さが、
なんとなく理解できるかと思います。
「甲子園」があれほど感動を生み、人気を博しているのは、
もしかするとこの縁起の良さに守られているからなのかもしれません。
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