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広島貧乏旅行~原爆ドームを中心に、戦争の惨禍にも目を向ける~

投稿日:2020-09-02 更新日:

この章では、広島市の観光スポット(原爆ドームとその周辺施設)の詳細を紹介する。

この記事の主眼は、「WWⅡとは何だったのか?」や「大人になってから見る原爆ドームとは?」といったことについて、一歩踏み込んだ形で考えてもらうきっかけとなることである。

「宮島観光」や「西条の酒蔵巡り」の際には、あまり意識することのない広島と戦争の関係。しかし、市内観光の段になるとその様相は突然変わるのだ。次から次へと出てくる「戦争」や「原爆」といった文字。令和の時代になってもやはり「広島」と「戦争の歴史」は切り離せないのだ。

今の年齢だからこそ、しっかりと歴史に向き合って旅の一頁に取り入れよう!特に(3)に記す書籍には一度目を通した上で、ここを訪ねてもらいたい。

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壱の巻:世界でも稀な負の世界遺産に目を向ける

(1)原爆ドーム

1945年8月6日に広島市に投下された原子爆弾の惨状を後世に伝えるための記念碑。平成7年には後世に平和を伝えるための史跡として、世界遺産として指定されている(別記事で紹介した厳島神社と同時期)。

【原爆ドーム全景】

【原爆ドーム全景】

①概要

原爆投下当時は、広島県物品陳列館(後に、産業奨励館)として使用されていた。日本で初めてバームクーヘンが紹介された場所としても知られている。(紹介者はドイツ人捕虜:カール・ユーハイム)。原爆投下当時、爆心地からの距離が近いこともあり、爆風が建物の上方から垂直に吹き込んだために、楕円形のドームを覆う銅板が溶けた後、爆風が真下に吹き込んだことにより、建物の外壁の一部が残ることになった。なお、当時建物内にいた人々は全員即死している。戦争当時の記憶を思い返させることとなることから、その取り壊しを求める意見と戦争の記憶の風化を防ぐことから建物の保存を求める声が起こったが、後者の意見が次第に強まり、計4回の保存工事を経て今に至る。平成7年に世界遺産(通称:負の世界遺産)として登録されており、世界的にも稀な存在である。(代表的な負の世界遺産:アウシュビッツ(ドイツ)

【原爆ドームの楕円部分】

【原爆ドームの楕円部分】

②アクセス

広電原爆ドーム前駅徒歩すぐ

③観光のポイント

ア)訪問時期
WWⅡの悲惨さを実際に体感するのであれば、夏の8月ごろに訪れることをお勧めする。うだるような暑さの中、当時の市井の人が受けた苦しみに少しでも向き合うきっかけにもなる。また、原爆ドーム前を流れる川(元安川)を必ず確認すること。被爆者が水を求めて入水し、数多くの人がなくなっている。また、平和記念公園、原爆の子(銅像)、平和記念資料館も併せて必ず訪問すること。原爆ドームから徒歩5分程度。

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弐の巻:戦争の現実と千羽鶴

(1)周辺施設

全て原爆ドームから徒歩でアクセス可

①平和記念公園

桜の名所であり、市民の憩いの場。トイレも設置されている。

【平和記念公園の桜】

【平和記念公園の桜】

②原爆の子(銅像)

モデルは原爆による白血病で死去した佐々木禎子。禎子の死を知った同級生たちによる募金活動の結果、建設された銅像。また、銅像には鐘が設置されており、湯川秀樹博士(日本初のノーベル物理学賞、中性子理論の確立)の筆による文字(「千羽鶴、地に空に平和」)が彫られている。これは大変興味深い事実で、後に湯川博士はこう述べている。「私は、真理の探究ということを誇りに思うし、自信を持っているし、私は一生それを貫いてきた。けれど8月6日のあの事件を聞いたときに、科学者は科学者としての自分に対する責任があることを知った。」。

【原爆の子】

【原爆の子】

③千羽鶴

全国各地から届けられた千羽鶴がつるされている。

【千羽鶴】

【千羽鶴】

④平和記念資料館

原爆投下に伴う悲劇の数々を展示した資料館。特に、「人石の影」・「原爆で止まった時計」・「伸ちゃんの三輪車」など原爆の惨禍をリアルに感じ取ることのできる展示部も多い。戦争に対する可否や要否を考える前に、何のためのWWⅡだったのかを考えさせられる。また、時間的に立ち寄るのが難しい場合は、資料館のパンフレット(無料)をもらって帰るのも良し。

【平和記念資料館】

【平和記念資料館】

(2)ここを訪れる前に

①事前学習

広島の原爆投下に関する本を1冊でも事前に読んでおくと、より旅の充実感を味わうことができる。(例:大江健三郎「ヒロシマ・ノート」、井伏鱒二「黒い雨」、Ⅿ.ウォルツァー「正しい戦争と不正な戦争」)。また、原爆ドーム周辺には、ボランティアガイドによるツアーもあるので時間があれば参加するのも良い。

②留意点

今まで紹介した所は20代から30代になるまでの間に一度(再度)訪問することが望ましい。小学生の頃に修学旅行などで既に訪れていたとしても、その時とはまた違う成長した感性で、原爆ドームを眺めることができるであろう。単なる時間つぶしの観光であっても、是非とも足を運んでもらいたい。何かを感じさせる世界遺産である。
【川】

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