この章では、前章で紹介した「パックツアー」を利用した場合のメリットについてより詳しく紹介するために、具体的なトラブルを想定した上で、「個人旅行」の場合との比較を行う。本章の読者は、「パックツアー」を利用した場合のメリットをより深く理解することができるであろう。また、最後には世間が一般的に抱く「パックツアー」のイメージ(誤解)についても記しているので、参考にしてもらいたい。
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壱の巻:台風等で飛行機が欠航したら・・・
(1)個人旅行の場合
①航空券の取消し
欠航した飛行機の航空券代金の返金手続やその交渉は自らで行う必要がある。ここで留意すべきなのは、「航空券を手配した会社」(必ずしも航空会社とは限らない)と話し合いを行う必要があることだ。その会社が日本にあるとは限らないし、日本語のやり取りで返金を求めることができるかも分からないので要注意である。また、欠航した飛行機からの乗り継ぎ等がある場合は、乗継先の航空券のキャンセルも自らで行う必要がある(特に、乗継前と乗継先の航空会社が異なる場合は厄介である。)。予約した航空券の種類によっては、航空券の代金が返金されないこともよくある。特に、安い価格で航空券を手に入れた場合に多くみられる。
②ホテルの取消し
そもそもホテル自体の営業が停止・倒産したわけではないので、ホテルまで到達できなかった旅行者の責任となるのが通常である。そのため、事前に宿泊代金等を支払っていた場合は返金される可能性が極めて低いし、返金されたとしても、手数料等が差し引かれるためホテル代金全額となる場合は少ない。
③その他
海外旅行の場合、インターネットを通じて事前に現地のオプショナルツアーを申し込んでいることがよくある。この場合の取消手続きについても、全て自身で行う必要があり、この際も取消手数料等が取られるのが通常である。
(2)パックツアーの場合
旅行会社から旅行代金の払い戻しを受けられるので、旅行者が主体的に何らかの行動をとる必要はない。通常、自然災害や現地の政情不安等の場合、旅行代金「全額」が返金される。取消手数料等が取られないので、安心である。
(3)結論
特に、不馴れな海外への旅の場合などは、パックツアーを積極的に利用することが望ましいと言えよう。上記の例をみても分かるように旅行会社を通じて予約しておけば、多少割高であっても大きな安心感を手に入れることができる。地震や台風等の被害をよく受ける日本では、パックツアーで旅行を申し込んでいた方がいざと言うときに困らない。また、今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う旅行の取消し場合などにも同様のことが言えよう。最近では、全てを個人で手配した場合と比べても、その値段や内容等においてそれほど遜色が無いツアーも多く見られるので、それを活用しない手は無いと言えよう。
(4)パックツアーへの誤解
パックツアーと聞けば、大型バスに皆で乗って観光地や土産物店を巡る旅行をイメージするかもしれない。しかしながら、パックツアー(募集型企画旅行)の定義を見ても明らかなように、必ずしも大型バスを使用した団体旅行がパックツアーではない。ホテルと航空券手配し(手配債務)、そのスケジュール通りに旅行ができるようにすれば(旅程保証)、パックツアーは完成する。それゆえ、航空券とホテルの手配のみを行うパックツアーもある。筆者もそれを利用して世界40カ国を旅してきた。近頃では希望のホテルやスケジュール等を確認した上で、パックツアーの提供を行う旅行会社もあるので、パックツアーの利用は十分検討に値すると思う。
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